アップル@薬剤師ブロガーです。
今回の記事をご覧いただきありがとうございます。
長い記事になっているので、目次などでスキップして読んでいただいても結構です。
執筆のきっかけ
本記事は私の調剤薬剤師歴約20年の中でも過去最悪レベルの医薬品の現状と、先日私のTwitterで投稿した内容で想像以上の反響があったため記事にしてみました。
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2022年11月までの現状
有名どころですと(剤形・規格省略)、
カロナール、ロキソニン←解熱鎮痛剤
トランサミン←抗炎症剤
メジコン、アスベリン、ムコダイン、ムコソルバン←鎮咳去痰剤
ツムラ・クラシエ漢方薬、婦人科薬などです。
有名なのがこれだけで、まだまだ沢山あります。。
筆者の感覚では、目薬と消炎鎮痛薬の湿布の入荷はまだマシのようですが、地域差はあるのかもしれません。
もう、現場は本当に薬を取り揃えられず苦労しているんです。。(泣)
そもそも何故出荷調整になってる?
筆者が改めて調べたところによると、
きっかけは2020年末くらいまで遡ります。
ちょっと、話をすると、、
後発品・ジェネリック(以下GE)といえば、大手が日医工なので、そこが出荷できないとなり大混乱になったわけです。となれば、他のGEメーカーや先発医薬品メーカーに注文が殺到するので、そこでまた品薄状態になり、また新たなメーカーが品薄になるという連鎖が始まったわけです。
調剤薬局も小売業に近いのでどこも考えることは一緒で、品薄になれば発注数は通常時期より多くなり、メーカーもやっと品薄から供給ができるようになっても注文数がそれを上回りまた出荷調整になるというサイクルを生み出している現状です。
メーカーは調達しようにも、コロナの影響で人手が足りなく準備できず、そしてウクライナと円安の影響で原材料確保や輸送コストの面で十分に供給できなくなっています。
なので、コロナの影響での解熱鎮痛剤や鎮咳去痰剤などの対症療法の急激な需要増加による一時的な欠品ももちろんありますが、それ以外の薬の供給が不安定なのはそういった理由も考えられます。
以上が、2022年11月現在も続いています。
薬剤師、医師、看護師、医療関係者で情報を共有して、出荷調整品の処方は控えていただくか、もしくはどうしても処方が必要なら最小限日数にしていただく必要があります。
不安に煽られて、1人の患者でガッと処方されると、その薬がベストな多くの人にその薬が行き届かなくなります。。
一昔前のトイレットペーパーや、コロナ第一波の時のマスクのようにならないよう、「なくなっちゃう・足りなくなるから多めに処方してもらった」などないようにお願いしたいところです。
定期薬で処方箋を受け取ったら
「いつもの薬局混んでるから」「ふらっと立ち寄ったから」とかの患者の自己都合理由で、処方箋をもらってから薬局を変えられるのは正直もう無理です。
提供したくても、ないものはないんです。。
どうしてもならせめて、次回受診前までにそこの薬局で次回薬をもらえるかのご確認はいただきたいところです。もしかしたらメーカーなどからの出荷が、納入実績のある薬局から解除になって取り寄せできるかもしれないので。明日からの服用薬がない状況下ではどうすることもできないこともしばしばあります。
調剤薬局は、基本一度来局された患者様の次回分はよっぽどじゃない限り次回分の在庫を確保しようと努めます。そうしなければ、次回来局された時には在庫がまったくなく患者様に迷惑をかけることになるためです。
でもそれができない医薬品が今、多いんです。
だけど、いつでもどこの薬局でも薬を取り寄せられる世の中では現在ないので、定期薬はかかりつけの薬局でまずはもらうようにしてください。
臨時薬(風邪など)での突発的な受診はやはり病院の近くのが在庫があると思うので、そこが現状ベストだと思います。
まとめ
食品スーパーでは、産地がいつもと変わっていたり、価格も高騰してます。
車業界では半導体不足で納車に数ヶ月待ちなどニュースがあると思います。
いろいろ頭を抱える世の中になっているとは思います。
その中でも医療の現場では医師による診察での処方箋が絶対です。
「なんで薬がないんだ!」「薬を取り寄せられないのか?」という気持ちは十分わかりますが、この記事で少しだけでも今まで知らなかった人がわかってくれれば幸いです。
今回、2022年11月現在での調剤医薬品出荷調整について、記事にしてみました。
少しでも患者様の薬の提供に努めますが、この記事を読んでいただいた方には、医療現場の声を是非覚えておいていただけると幸いです。
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